歓喜の歩み これからも

2022年12月4日。
第30回記念のアルカディア音楽祭が開催されました。
数日が過ぎ、日常生活に戻りながらも、時折「記憶」がよみがえります。

3日は、準備とリハーサルの日。
28回は中止。29回は無観客で、出演者は合唱団の他には極少数のアーティストというものでしたから、オーケストラが入り、お客様にも入っていただくための準備は3年振り。緊張しながらも、ある種の「わくわく感」も覚えながら、やるべきことをこなしていったと記憶してます。

合唱団は18:00からのリハーサル。(少し遅れて始まりましたが、オーケストラのみなさんのリハーサルに熱がこもった証です。)合唱の直前からのスタートです。
菅野先生の気合いのこもった歌声に導かれ、歌い出しました。
合唱の前半は、ソリストの後に同じフレーズを歌います。4人のソリストの先生方、皆さん素敵です。ドキドキしました。特にモモコは合唱のソプラノだから、ソプラノ·ソリストの鈴木愛美さんの歌声を聴きながら、「あぁ。あんな風に歌いたいなあ」と度々考えました。(前日から聴けるのは、合唱団員の特権です。)
歌詞の意味のことや、これまで練習してきたことやらも頭をよぎり、ある意味「冷静」だったのかな?個人的には「失敗!!」と思うこともあったけど、リハは無事に終わりました。

4日。いよいよ本番の日です。
オーケストラの方々は、一足早く音を出していられました。合唱は、出番の第4楽章の時刻に合わせて集合。顔合わせの後にソリスト・合唱を含めたゲネプロ開始······-の予定でしたが、マエストロの音楽へのこだわり(?)、より良いもの、より高処を目指すお気持ちの表れなのでしょう。予定は二転三転。でもそれすらも「懐かしい」想いのモモコでした。
やがて「出演者顔合わせ」
実行委員長からのお話しは、コロナ禍の中での開催のために、たくさんの方々がはらってくださった努力を感じながら聴きました。また、第1回目の音楽祭の実行委員長が、団員として歌ってくださることをご紹介くださった時は、30年の時の重みと、今回のテーマ「歓喜の歩み これからも」に籠められた想いを改めて胸に刻みました。
そして演奏会の段取り確認を含めたゲネプロを終え······。
あとは皆、思い思いに本番までの時間を過ごしていました。
嬉しい「差し入れ」の数々も、この時間にいただきました。(ありがとうございました)

そして
ステージドアの外で、オーケストラによる「プロメテウスの創造物」のおしまいの部分を聴き、やがて舞台両袖にスタンバイ。
ステージマネージャーの合図でステージに上がります!!
客席には、お客様の顔・顔・顔。
満席とは言えないけれど、6つのブロック全てにお客様がいらっしゃいます。
あの一角は、絆ステージでご一緒する「いきいきうたごえサークル」の皆さんだ。
なんてことを考えている内に、マエストロが入場し、全員で拍手を受け。
いよいよ「第九」が始まりました。
1楽章から3楽章まで、合唱団は「聴く」人なのだけれど。
50分くらい、じっと聴いているだけなのだけれど······。
ホールに響く音······というか、何だかステージの上で聴いている響きがいつもと違う。先生から伝わる気迫。それに応えるオーケストラ。その世界観を感じている合唱団を初めとした聴衆。モモコは3つの楽章それぞれの世界の、正にその場に立っているかのように感情を揺すぶられていました。
そして4楽章に入り歌い出すと、歌詞が···
練習の時は「こういうことを歌っている」と「考えていた」歌詞が···
自分の気持ちとなってあふれました。
「歓喜のメロディ」の部分では、感極まって涙目になってきました。でも「泣いたら歌えない」との気持ちで息を整え、なんとか歌い続けることができました。
「抱きあえ」と呼びかける部分。神に祈り、神を信じ「聖なる神の地」に入った歓びを歌うフーガ。そして最後の「Freude,schöner götterfunken.(歓喜よ 美しい神の閃光よ)」
船橋先生。オーケストラの皆さん。ソリストの先生方。合唱団。そして客席のみなさま。たくさんの人が「アルカディア」という空間にいるのだけれど、全ての人々が同じことを感じているというような一体感をモモコは感じていました。

「第九」が終わり、カーテンコールの後、いきいきうたごえサークルの皆さんも加えて歌った『絆ステージ』の「花」と「ふるさと」
お客様は心の中でしか歌えないけれど、一体感はより一層強まった感じがしました。

そうして5年振りの「第九」と3年振りの有観客の音楽祭は、笑顔と共に終演です。

いつもだったら「打ち上げ」で感動をわかちあえるのだけれど、今回は後片付けをしながら、口々に感動を語り合うことが打ち上げでした。でもみんな、もちろんモモコも「笑顔」でした。

この日に至るまで、モモコの立場でも色んなことがありました。
いつもならなんてこと無く決められることも、色々気をつけなければいけないことがあって時間を要したり、せっかく決めたことも変更になったり。
たくさんの方々と、知恵と力を合わせて乗り越えてきました。
そして音楽祭前日当日のこの2日間にも、お力を貸してくださった方たちがいらっしゃいます。
本当にありがとうございました。

合唱団は2023年3月の「春彩コンサート」を第1の目標点に、13日から練習を開始します。
そして第31回音楽祭は、同年12月3日。フォーレの「レクイエム」と決定しています。
「歓喜の歩み」は続くのです。

久し振りの先生との演奏会後の握手(グータッチだったけど)が嬉しかった《モモコ》